(この記事は、2021年6月10日に記載しました。)
投資で一番大切な20の教え – ハワード・マークス
今回読んだ本は、オークツリー・キャピタル・マネジメント会長兼共同創業者である、ハワードマークスさんの「投資で一番大切な20の教え」というものです。
一番といいつつ、20個もあるんかい!と突っ込みたい気持ちがあるかと思いますが、それだけ株式投資は複雑で予測ができないということを伝えているのかもしれません(笑)
バリュー投資家で有名なウォーレンバフェットが唯一認めたと言われる本であり、株式投資を行う人にとっては、とても重要な考え方、投資思想が記載されている本です。
株式投資に対するハウツー本ではないため、投資初心者の方がどうやって株式投資を始めたら良いのだろうという場合には、この本はフィットしないので、注意が必要です。
どちらかというと、この本はある程度、株式投資を経験している人向けの本だと思います。
要点1 – 振り子を意識する
株式相場というのは、ずっと上昇したり、ずっと下降したりするわけではなく、振り子のように行き来を繰り返しというのを意識すべきというのが要点の1つ目です。
どこが頂点か、どこが底値かは誰にもわかりません。
過去の結果を見ればわかりますが、渦中にいる場合はまったくわからないものです。
しかし、株式相場というのは上下を繰り返すものなので、上がっていれば必ず下がるときはくるし、下がっていれば必ず上がるときはきます。
このことを意識して株式を購入することでだいぶパフォーマンスが変わるということです。
具体的には、上昇局面では極端に集中投資をしない、下落局面では積極的に買いを入れるといった具合です。
これはなかなか難しいですが、長く相場にいると現状がどのポジションなのか雰囲気がわかると思います。
そのポジションを意識して、規律正しく投資行動をすべしということかなと思います。
要点2 – 相関関係を意識する
2つ目は、相関関係を意識して株式投資をするという点です。
例えば、下記のケースがあったとします。
-
- 全米株式インデックスが上がっているときに、米国債は下がっている
- 全米株式インデックスが下がっているときに、米国債は上がっている
一方が上がれば、他方が下がるというような関係になっているので、これは逆相関関係になります。
保有資産において逆相関関係にある資産を持つことは、ボラティリティを最小限にするために有効な手段です。
株式市場が暴落しても、債券市場が暴落していなければ資産全体はそこまで目減りしません。
全て同じ相関関係にある株式を保有している場合、暴落局面では資産が半分になってしまうということはありえます。
含み損を抱えて耐えれる自身がある人は良いですが、普通の人は一生懸命貯めた自分の資産が半分になったら、かなりメンタル的にきついと思います。
投資を行う際は、意識的に
「同じ相関関係になっていないか?」
ここに注意を払うことが重要です。
要点3 -上昇局面では市場平均、下落局面では市場平均以上
3つ目は、上昇局面では市場平均で十分なパフォーマンスであり、下落局面では市場平均以上を取れるようにするという点です。
上昇局面では、周囲に流されてアグレッシブに投資する必要はなく、落ち着いて
「投資先が本質的に投資する価値があるのか?」
「現在の価格は、高すぎないのか?」
ということを注意深く考える必要があります。
そして、周囲が高いパフォーマンスを上げていたとしても、気にせず自分の投資を続けることが重要です。
自分も高いパフォーマンスを上げようと意識すると、見誤って大損する投資をしてしまう可能性があるのです。
一方、下落局面では積極的に買うという姿勢が重要になってきます。
「落ちるナイフは掴むな」という格言がありますが、むしろ掴まないと高いパフォーマンスを得ることはできません。
下落局面では、本質的に価値がある株が相当安くなっているケースがほとんどなので、ここで価値ある株を一気に購入する気合が必要です。
上昇局面では淡々とインデックス投資を積み立てて、下落局面では割安になった個別株やETFを積極的に買う。
この投資方針を忘れずにというのが3つ目の重要ポイントです。
まとめ
今回は、オークツリー・キャピタル・マネジメント会長兼共同創業者である、ハワードマークスさんの「投資で一番大切な20の教え」について、私が大切だと思う要点を3つご紹介しました。
「投資で一番大切な20の教え」は、普遍的な考え方が記載されているので、株式投資家にとって何度も読み返すべきバイブル思っています。
ぜひ購入していつでも読み返せるようにしておくと良いと思います。
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