(この記事は、5月7日に更新しました。)
AI inside(4488)の株価が急落した理由とは?
NTT西日本の『おまかせAI OCR』というサービスの裏側は、DX Suite LiteプランというものをOEM提供していて、利用されていないライセンスは来年契約更新をしないということから、株価が急落しました。
正式な報告文書はAI InsideのIRニュース情報をご確認ください。
NTT西日本の解約で17.6億円減少するということで、21年3月度の売上高が30億円強なので、約半分が22年3月度には消失する計算になります。
業績が不透明になったことで、一気に売りが進んだというのが背景だと推測できます。
そもそもAI- OCRって何?
OCRという技術は一度は聞いたことがある人が多いと思います。
OCRとは、紙の文章をコピー機などで読み取り、コンピューターが理解できる文字コードに変換する技術です。
昔からある技術なので、目新しさがないことから、流行りのAIというキーワードを各社が頭に着けているというのが実態です。
具体的に何がAI(人工知能)なのか?というのは、各社明確な表現をしていないのでなんともですが、教師データを与えることで文字の認識率が向上するという話かなと推測できます。
つまり、様々な文書データを読み込ませて、間違った部分を人間が修正しAIに正しいデータを学習させる。
この作業をどれだけ繰り返しできたかで、認識率の制度が上がるので、ここが最も人件費のコストがかかる部分になります。
AI inside(4488)の株価は戻ってくるか?
業績が不透明なので、少なくとも来年の決算が発表されるまでは、下落傾向が続くと考えられます。
具体的なリカバリプランが出てくれば良いですが、17億円を埋めるほどの大型OEM契約を取るのはかなり難しいのではないかと思います。
NTT西日本が解約というのは、他のパートナーをリクルートする際に悪い印象を与えることになります。
SaaSを日本で拡販するためには、直販ではなく間接販売がポイントになってきます。
今後どのような打ち手を出してくるのかに注目しておくと良いかと思います。
2021年4月のPTSで¥30,300を付けているので、このまま下落するとなると次のポイントは¥24,000あたりではないかと予想していましたが・・・
なんと、2021年5月7日の終値で¥16,080を付けました。
このままいくとIPO時の¥10,000台を目指しそうです。
まとめ
今回は株価が急落したAI inside(4488)について記載をしました。
NTT西日本の大型解約で株価は急落したものの、ファンダメンタル的には売上増加率、利益率はかなり健康的かなと思います。
余剰資金の使い方次第では、次の軸となるサービスをリリースすることで大きく株価を伸ばす可能性は十分にあると思います。
また、この資料を見ると解約率(チャーンレート)が0.45%とかなり低い水準となっています。
SaaSビジネスでは解約率が低いことが重要となります。
NTT西日本の大型解約があったものの、その他のユーザーは解約せず利用してもらえるならば、業績に与える影響は限定的という見方もできます。
解約率については、今後の決算でも注目したいポイントです。
最後に、少し気になる点は、2021年Q3の決算発表から急に対売上⾼⽐率が消えてしまっているので、何か隠したいことがあるのかな?っと疑ってしまう要素もあったりします。
2021年5月頃の決算発表で本件に関する業績への影響を公表するようですので、注目です。
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